医療保険見直し
医療保険とは?終身型と定期型ではどちらがお得?
保険見直し口座 no.3
医療保険とは?
「医療保険」とは、病気やケガの際の金銭的な負担をカバーするための保険です。
「公的医療保険」と「私的医療保険」の大きく2つに分かれており、前者は政府や健康保険組合が保険者となるもの、後者は民間の保険会社が販売する任意加入の保険になります。
このうち、公的医療保険のほうは、会社員の方であれば「健康保険」、自営業・アルバイトの方なら「国民健康保険」、また専業主婦の方・未就業の子供・定年退職者の方の場合は、扶養者が加入する公的保険の扶養範囲内に…と、ほとんどの方がなんらかのかたちで加入しています。
しかし、病気やケガの際の備えとして、これらの保険のみでは不安に思われる方が多いことも事実です。
その理由は、公的医療保険の保障が、おもに治療にかかる費用の一部をカバーするもので、加入者の自己負担分となる医療費や、入院中に必要となるその他の出費(月々の家賃、光熱費、扶養家族がいる場合はその生活費など)を、充分には補いきれない点にあります。
このような事情を踏まえて、公的医療保険の補助的役割を果たすのが「私的医療保険」です。入院・手術の際には給付金が支払われ、休業中の加入者の生活をサポートしてくれます。
Point1 医療保険選び・見直しのポイント その1
「貯蓄型」と「掛け捨て型」なら保険料の安い「掛け捨て型」が有利
医療保険は、保険料の支払いタイプ別に、「貯蓄型(ボーナス型・積立型)」と「掛け捨て型」に分かれます。
「貯蓄型」は、解約・満期で一定額の保険料が払い戻されるタイプ。「掛け捨て型」は、保険期間中に入院や手術で給付金が支払われない限りは払い戻しのないタイプです。
一般的に、還付金がある「貯蓄型」は保険料が高く、払い戻しのない「掛け捨て型」は保険料が安い傾向があります。
医療保険は、この「貯蓄型」と「掛け捨て型」のどちらを選ぶかが最初のポイントになりますが、おすすめなのは「掛け捨て型」です。解約・満期まで保険料が返らない「貯蓄型」は、銀行預金のように自由にお金を引き出すことができず、その他の貯蓄商品に比べると、利率もそれほど良くありません。
貯蓄をするのであれば、保険とは別に貯蓄用口座等を用意したほうが資産を管理しやすく、また、利率の良い金融商品(定期預金やMRFなど)を利用することもできます。
このため、医療保険は安い「掛け捨て型」を選んでできる限り月々の保険料を抑え、浮いた保険料分を貯蓄に回していくのが賢い方法と言えます。
「終身型」と「定期型」は貯蓄の有無で選択を
医療保険は、「貯蓄型」「掛け捨て型」のほかにも、保障期間と保険料の払込期間によって「終身型」と「定期型」に分かれます。
死亡時まで保障が続き、加入時の保険料がそのまま据え置かれるものが「終身型」、一定の保障期間(10年など)が設けられ、期間終了時に保険契約と保険料が更新されるものが「定期型」です。
また「終身型」は、60~80才前後で保険料の払込が終了する「短期払い」と、死亡あるいは所定の障害状態にならない限り保険料の支払いが発生する「終身払い」に分かれています。
これらの医療保険のうち、どのタイプを選択するかは、保険以外の貯蓄との兼ね合いによると言えるでしょう。
「定期型」は、加入時の保険料が「終身型」よりも安価ですが、保障期間が終了すると自動で契約が更新されるタイプが多く、更新後の保険料は更新前よりも高くなります。
しかし、働き盛りの時期だけ保障を手厚くし、老後の医療費は貯蓄でまかなうのであれば、保険料が安く、保障が充実した「定期型」はおすすめです。
一方、同じ保険をずっとかけ続ける場合は、保険料の変動がない「終身型」を選んだほうが、「定期型」よりも総支払額を抑えられる可能性が高いと言えます。「終身型」には、「短期払い」と「終身払い」があり、早期に保険料を払い込んでしまう「短期払い」のほうが、月々の保険料は高くなります。
定年後の収入に不安を感じて「短期払い」にするケースも多く見られますが、今後、医療技術の発達とともに新たな治療法が開発された際、従来の保険が対応できるかどうかは不確定でもあり、当面は保険料の安い「終身払い」を選んで、老後に備えた貯蓄を優先するのが無難と言えます。
保険料と家計のバランスも大切に
医療保険の加入・見直しをする際は、家計に占める保険料の割合も考えておく必要があります。
適正な保険料の目安は、ひとり暮らしのシングル世帯で月収の約5%、小さな子供のいる家庭であれば10%、自営業ならば12%と、ライフスタイルによって異なります。
ライフスタイル別、月収に占める保険料の割合 | |
---|---|
シングル(親と同居) | 3% |
シングル(ひとり暮らし) | 5% |
子供のいない家庭(妻は専業主婦かパート) | 5% |
子供のいない共働き家庭、小学生~大学生の子供がいる家庭 | 8% |
小学生以下の子供がいる家庭、家賃・住宅ローン支払いのない家庭 | 10% |
自営業の家庭 | 12% |
Point2 医療保険選び・見直しのポイント その2
医療保険の商品はここをチェック!
「定期型」や「終身型」といった医療保険のタイプや、おおよその保険料を決めたあとは、具体的な保険商品選びが始まります。各保険会社が販売する医療保険を、できれば数社ほど資料請求をして、保障内容を比較すると良いでしょう。医療保険を選ぶ時にチェックしたいポイントは、おもに以下の3点です。
- 入院給付日額
- 保障開始日
- 1入院当たりの保障限度日数
入院給付日額
入院した場合に、1日あたりいくらの給付金を受け取ることができるかを示したものが「入院給付金日額」です。3,000円、5,000円、1万円などのプランが一般的で、支給金額が大きくなるほど、保険料も高くなります。
入院時の治療に必要となる金額は、通常、1日5,000円程度と言われます。独身者や専業主婦、子供のいない共働き夫婦の場合は、この必要額(5,000円)をひとつの目安にするとよいでしょう。
また、自営業や扶養家族のいる世帯では1万円前後が適当とされており、これは「公的医療保険の制度の違い(※)」や「入院期間中も扶養家族の生活費が必要」といった理由によるものです。
ライフスタイル | 性別 | 入院給付日額の目安 | |
---|---|---|---|
子供なし | 独身 | 男・女 | 5,000円 |
共働き家庭 | 男・女 | 5,000円 | |
子供あり | 会社員・公務員 | 男・女 | 5,000円~1万円 |
自由業・自営業 | 男 | 1万円 | |
女 | 5,000円~1万円 | ||
専業主婦(主夫) | 男・女 | 5,000円~1万円 | |
ひとり親 | 男・女 | 1万円 |
保障開始日
「保障開始日」とは、入院給付金の支払いが開始される日を指します。「日帰り入院から保障するタイプ」や「入院5日目から保障するタイプ」などが代表です。現在は、医療機関の傾向として4日以内の短期入院が増えていることもあり、日帰り入院から保障するタイプが人気です。
1入院当たりの保障限度日数
1回の入院で何日間の入院給付金が支給されるかを示すのが、「1入院当たりの保障限度日数」です。代表的なプランは、60日、120日、180日などで、限度日数の長いものほど保険料が高くなります。
入院が長引けばそのぶん医療費がかさむため、保障限度日数は長いものを選択したいところですが、『平成29年度厚生労働省・患者調査』によると、入院患者のうちの約80%が、30日以内に退院している、とのデータがあります。
つまり、長期入院の頻度はそれほど高くなく、保障限度日数の長いプランを選択しても、有効に働く可能性が少ないことがわかります。
入院が長期にいたるケースとしては、脳卒中や心筋梗塞といった生活習慣病等が考えられ、医療保険の中には、こうした生活習慣病の場合のみ保障限度日数を引き上げる保険もあります。
Point4 医療保険を比較
それでは、代表的な保険会社の医療保険を比較してみましょう。
ほとんどの医療保険では「入院給付日額」や「保障限度日数」を選択することができ、シングル~自営業世帯までの幅広いニーズに対応しています。
特に「オリックス生命」は、長期入院となるケースの多い生活習慣病で1入院あたりの保障限度日数を2倍から無期限に設定しているなど注目の医療保険と言えるでしょう。
※終身払い(アクサダイレクトの定期医療は保険料払込期間10年)、日額1万円、限度日数60日、特約なしで加入した場合の月額保険料
保障期間 | 10年 | ||||||
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保障内容(入院保障) |
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保障内容(手術保障) |
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保険料試算※ |
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保障期間 | 終身 | ||||||
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保障内容(入院保障) |
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保障内容(手術保障) |
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保険料試算※ |
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保障期間 | 終身 | ||||||
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保障内容(入院保障) |
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保障内容(手術保障) |
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保険料試算※ |
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Point4 保障内容と家計のバランスを吟味して、より良い医療保険選びを
医療保険の見直し、いかがでしたでしょうか。ケガや病気への備えは、ライフスタイルを問わず、誰もが一生涯必要とするものです。
少子高齢化や医療制度の改革など、社会生活の変化にともなって、公的医療保険のみでは不安が囁かれていることもあり、医療保険の重要性は、今後も一層、高まっていくことでしょう。
医療保険選びは、保障内容と保険料、貯蓄とのバランスが大切です。高額な保険料で家計を圧迫してしまったり、不充分な保障でいざという時に困ってしまうことのないよう、ポイントを押さえた賢い医療保険選びをしていきましょう。
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