FX初心者必見!テクニカル、ファンダメンタルズ分析、デイトレード向けおすすめ本5選
SPECIAL ARTICLE
はじめに
「FXは資格の勉強のように決まった教材がないので、勉強方法がわからない」
「FXスクールも高額なものが多く、本当に勝てるようになるのか不安…」
「FXを始めたものの、何から手をつければ良いのか分からない」
これらはFX初心者の多くが直面する悩みです。
筆者はFX歴2年、専業を目指し修行中のトレーダーです。FXを始めた当初は右も左も分からず損ばかりしていました。
この記事では、FXトレードに挑戦する初心者の方を対象に、基本となるテクニカル分析やファンダメンタルズ分析の勉強の仕方を解説していきます。
さらに、FXトレーダーなら誰もが一度は挑戦するデイトレード分析についても解説しているので、トレードスタイルに悩んでいる人にもおすすめです。
初心者の方向けの書籍も紹介しているので、これからトレーダーを目指す人は本記事を是非参考にしてみてください。
FXにおけるテクニカル分析とは?
テクニカル分析とは、過去の値動きから未来の値動きを予測することを言います。
FXの世界でテクニカル分析が重要な理由は、市場の動きは全て値動きに織り込まれていると考えられているからです。
テクニカル分析の中でも特に有名なものとして、「①テクニカル指標分析」「②フォーメーション分析」「③ローソク足分析」「④ライン分析」があります。
①テクニカル指標分析
テクニカル指標は、価格や出来高などをグラフ化してチャート化したものです。大きく分けるとトレンド系とオシレーター系に分類されます。
テクニカル指標 トレンド系
トレンド系は主に相場の流れを把握するのに利用されます。例えば、今は全体的に上がりやすいのか下がりやすいのかを示す判断材料として利用されており、一般的には売り買いのタイミングを図る参考指標になります。
有名なテクニカル指標は、移動平均線やボリンジャーバンドなどです。
テクニカル指標 オシレーター系
オシレーター系は「買われ過ぎや売られ過ぎ」を把握するのに利用される指標です。
例えば、値動きが反転しそうなのか?それとも現在の動きが継続するのかを示す判断材料として利用されます。トレンドが終わり、ポジションを手仕舞う際に活用すると良いでしょう。
②フォーメーション分析
フォーメーション分析(チャートパターン)は直近の値動きが反転するのか継続するのかを予測する指標として利用されます。有名なのは三尊、逆三尊やダブルトップ、ダブルボトムなどです。
大衆から意識されるパターンとそうでないパターンがあるため、見極めにはある程度経験が必要になります。
③ローソク足分析
ローソク足分析では、ローソク足の形状や連なりから投資家心理を汲み取り、その後の値動きを予測します。テクニカル指標とは異なり、数値ではなく視覚情報を材料に判断するのが特徴です。
一般的には、ローソク足単体で分析するやり方と、複数のローソク足から分析する方法に分かれます。FX業界では、この方法をプライスアクションと呼んでいます。
ローソク足単体では陽線や陰線、ヒゲ、実体の大きさなどから相場の勢いを捉えるのに利用されます。
例えば、「大陽線は上昇の勢いが強い」「大陰線は下落の勢いが強い」「十字線は相場がどちらにいくべきか迷っている状態」などが有名です。
複数のローソク足(プライスアクション)から次のローソク足を予測する際に役立ちます。
プライスアクションで有名なスラストアップを例に、具体的なやり方を見てみましょう。
スラストアップとは、直前のローソク足の高値よりも高い位置で終値が確定する時に現れます。そしてそれが現れると、上昇の勢いが強く、順張りトレードが有利になる特性があるのです。
この特性を活かすため、次のローソク足でスラストアップが完成するものを探し、その通貨ペアを軸にトレードをすることで、優位性がある取引が可能です。
また、テクニカル指標はローソク足をもとに算出されているので、いち早く優位性を判断することができるのも利点の1つでしょう。
④ライン分析
ライン分析は市場が注目している場所を見つけ、その後の値動きが大きく伸びていくのか?それとも反転するのかを予想するのに利用します。他のテクニカル分析と併用すると、予測の精度がさらに上がるでしょう。FXでは、この分析を活用したトレード手法をライントレードと呼んでいます。
テクニカル分析一つとっても様々な種類の分析方法があり、使い方も大きく異なります。まずは自身で試してみて、しっくりきた分析方法を自分のトレードに取り入れ、スキルを磨いていきましょう。
■ FX初心者必見!テクニカル分析に役立つおすすめ本
マーケットのテクニカル分析 ―トレード手法と売買指標の完全総合ガイド
著者 | ジョン・J・マーフィー |
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翻訳 | 田村 英基 |
監修 | 長尾 慎太郎 |
前作の『先物市場のテクニカル分析』はトレーダーたちから厚い支持を受けている名著。
本書は前作の内容を改訂した最新版になっている。Kindle版やAudible版もあるので、勉強する場所を問わないのも大きな魅力。
テクニカル分析を勉強するならこの一冊で十分。テクニカル分析の基礎から応用までを網羅しており、初心者から上級者までおすすめできる。
本書では、テクニカル分析を扱う上での前提条件からトレンドとチャート分析の基礎まで丁寧に解説。リアルチャートでの解説も充実しており、わかりやすい。少し値段は高いが、これからテクニカル分析を極めたい人には、手元に置いておきたい一冊。
FXにおけるファンダメンタルズ分析とは?
ファンダメンタルズ分析は、スイング(中期)や長期トレード向きで、マクロ経済や政治情勢など、幅広い分析が必要になります。また、注目度の高い経済指標は、発表後に通貨の値動きが大きくなるため、短期トレーダーの方も注意が必要です。
初心者の場合は、金融政策と為替相場を動かす経済指標の2つに注目し、勉強をはじめましょう。
注目度の高い金利政策3選
金利政策とは、物価安定させるための中央銀行の政策です。日本であれば日銀、米国であればFRBが中央銀行になります。
また、中央銀行は通貨の発行権を有している他、利上げや利下げを行うことで、市中に流通する通貨の量をコントロールし、物価の安定を計っています。
(1)FOMC
FOMCは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の頭文字を取った略称。米国の金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)には、世界中の投資家が注目しています。
日本時間だと午前3時から発表されるためリアルタイムでの視聴は困難ですが、後日チャートにどのように影響したか見ておくと良いでしょう。その後のチャートの流れを把握するのに役立ちます。
(2)日銀金融政策決定会合(日本)
日本金融政策を決定する会合で日本時間の昼から行われます。FOMCと比べると注目度は低いものの、日本円が大きく動くケースがあるので、注目しておきましょう。
(3)ECB理事会(欧州)
欧州中央銀行(European Central Bank)の最高意思決定機関のことを指します。
また、ユーロ圏の金融政策を決定する場所でもあります。
日本時間の21時15分に発表され、主にユーロやポンドの動きを左右する政策の一つです。
経済指標で抑えておくべきは、以下の3つの指標です。
経済指標とは?
経済指数とは、各国の経済状況を数値化して表した統計データのこと。経済を構成する主な要素は物価、金利、景気、などが挙げられます。これらの情報をデータにしたのが経済指標です。
(1)米国雇用統計
毎月第一金曜日に発表されるアメリカの雇用の状況を調査した統計データ。世界中の投資家が注目している重要な経済指標です。
日本時間だと夏時間は21時30分に、冬時間は22時30分から発表されます。
(2)米CPI(消費者物価指数)
毎月15日頃に発表される金利政策に大きく影響する経済指標。アメリカの物価が対前年比、前月比でどのくらい上がっているのか(下がっているのか)を表します。
(3)米小売売上高
アメリカの小売店で、どれくらい物が売れているのか表した経済指標。データは小売店のみで、サービス業(映画や美容室など)は含まれません。「景気が良いのか?」「消費が強いのか?」を判断する重要な指標です。
Memo:経済ニュースの勉強したい人必見!後藤達也さんに注目しよう
後藤達也さんは日本の経済ジャーナリストで元日本経済新聞社記者です。2020年からフリーでの活動を開始し、テレビやSNSで経済情報を発信しています。
YouTube動画やnoteでわかりやすく経済ニュースを説明しているので、FX初心者の方にもおすすめです。
利用料は基本的に無料ですが、有料版note(500円)ではより深い内容を速く知ることができるので、利用を検討してみるのも良いでしょう。
■ FX初心者必見!ファンダメンタルズ分析に役立つおすすめ本
経済指標の読み方がわかる辞典
著者 | 森永康平 |
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経済指標といってもたくさんの指標がある。本書では、その中の経済指標64項目の読み方と説明が紹介されている。カテゴリごとに構成されているため、初心者にも読みやすい。
日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国の経済指標が含まれており、景気動向の把握に利用できるのも良い点。
また、コモディティの原油や銅についてもかかれており、これからの原油の把握にも役立つだろう。
経済指標ごとに必要なデータをURLで貼ってくれているため一冊で完結できる。紙の本だとかさばり、URLに飛ぶのに時間かかるため電子書籍がおすすめ。
金利政策については深く解説されてないため注意しよう。
FXにおけるデイトレードとは?
デイトレードとは、1日で取引の売買を終え、翌日に持ち越さないトレードスタイルの総称です。
エントリー後、数十分から数時間持つトレードや数秒から数分の短期間のトレードを指すスキャルピング、1日以上(数日から数ヶ月単位)ポジションを保有するスイングトレードがあります。
本チャプターでは、デイトレードについて詳細にお伝えします。
デイトレードと一言で言っても、様々なやり方があります。東京市場での取引が得意な人もいれば、欧州時間を得意としている人、1番値動きが活発なNY市場が得意な人もいます。
各市場によって値動きの特徴が変わるため、自分の得意な時間を探してみるのも良いでしょう。
東京市場の特徴
朝8時~15時(日本時間)の取引時間のことを指します。東京株式市場が開場する9時前後から本格的な動きがでる場合が多いです。
仲値(※金融機関が外国為替取引をする際、基準になるレート)が9時55分に決定されると、大きな流れの出る傾向があるので、この時間を意識しておきましょう。
通貨ペアはAUD・NZD・JPYが動く傾向があります。
欧州市場の特徴
日本時間16時〜翌2時(冬時間は17時〜翌3時)の取引時間のことを指します。ヨーロッパ勢が参入してくるためユーロやポンド系の通貨の値動きが激しくなる傾向にあります。流動性が高くなるため、この時間からトレードする人も多いです。
ただし、フェイクとなる動きも多く、NY市場では逆に動くこともあるため、初心者には慣れが必要になります。なお、月末のロンドンフィックスは値動きが乱高下しやすいため注意しましょう。
通貨ペアはEUR・GBP・CHFが動く傾向があります。
NY市場の特徴
日本時間21時〜翌6時(冬時間は22時〜翌7時)の取引時間のことを指します。一日の中でもっとも流動性が高く、値動きがあるのが特徴です。
NY時間に大きな流れが出る傾向があり、重要な経済指標も発表されます。
また、ロンドン市場と重なっている時間は特に値動きが激しくなります。
デイトレード初心者におすすめの時間軸
デイトレード初心者におすすめの時間軸は5分か15分程度です。なぜなら、デイトレードでは短期の値動きがどうなるかが1番重要だからです。
長期足で大局を把握することはもちろん大事ですが、初心者は翻弄されてしまう可能性があります。そのため、5分足か15分足をみて、短期のトレードプランを立てることをおすすめします。
デイトレード初心者におすすめの時間軸
USDJPY(ドル円)
値動きが緩やかで、相場解説をしている人が多い通貨ペアです。2023年の現在は金利政策等の影響で値動きが荒くなっていますが、それを踏まえても取引しやすい通貨と言えます。
日米の金融政策や経済動向に影響されるため、ファンダメンタル分析にも適しているでしょう。
EUR USD (ユーロドル)
取引量は世界第一位でテクニカル分析の勉強におすすめの通貨。アジア時間はあまり動かず欧州時間に値動きが大きくなる傾向があります。一度トレンドが出ると継続しやすいため、逆張りには注意しましょう。
GBP JPY(ポンド円)
ドル円やユーロドルに比べて値動きが激しいのが特徴です。値動きの激しさから好んで取引する個人トレーダーも少なくありません。
エントリーから決済までが早く完結することが多い通貨ペアです。ドル円やユーロドルに慣れた方は、ポンド円やポンドドル、ユーロポンドを取引してみるのも良いでしょう。
デイトレードのポイント
デイトレードする上で大切なことは、取引する市場を決め、次に取引通貨の選定を行い、トレードする時間軸を決めることです。
この機会に自分に合ったデイトレードのやり方を確立していきましょう。
■ FX初心者必見!デイトレード分析に役立つおすすめ本
高勝率トレード学のススメ
著者 | マーセル・リンク |
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翻訳 | 山下 恵美子 |
監修 | 長尾 慎太郎 |
FXは参入障壁が低く、お金さえ口座に入金してしまえば誰でもトレードできる。しかし、初心者がいきなりプロのいる戦場に挑み、勝ち続けられるほど甘くはない。トレードで勝ち続けるには段階を経て、ステップアップしていく必要がある。
本書では、トレーダーにとって必要な知識や段階を章立てにして、わかりやすく解説している。
トレードする上での心得からニュースの利用の仕方、トレードプランの構築まで網羅している。
これからトレーダーとして稼いでいきたい方に強い味方になる一冊。
FX初心者におすすめの本
■ FX初心者におすすめの本①
ギガ速FX 月の手取り439万円を獲得したゾーントレードの極意【完全無修正】
著者 | リオン |
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『ギガ速FX 月の手取り439万円を獲得したゾーントレードの極意【完全無修正】』(※以下『ギガ速FX』)は、FXを始めるも2年間勝てず、拒食症になったものの、2022年4月には平均月収200万円以上を達成したFXトレーダー リオンの著書。
拒食症で入院した際に、著者が病床で掴んだFXのコツを「再現性のある技術」として昇華し、その方法を紹介した1冊となっている。
本書では、移動平均線とサポートレジスタンスラインを主軸し、売りトレードに特化したスタイルを解説。さらに、取引銘柄を一つに絞る(※GBP/AUD)シンプルな取引方法についても紹介している。
また、ローソク足の上髭からエントリーすることで損切りを小さくし、損小利大のトレードを実現する、といった内容も紹介。FX初心者から中級者以上まで、幅広いレベルのユーザーに対応した実践的な内容となっている。
本書の魅力は、著者が得意とする、移動平均線の使い方やサポートレジスタンスラインの引き方を分かりやすく解説している点。加えて、ラインをゾーンとして捉えているところにも注目したい。
『ギガ速FX』は、自身のトレード手法がまだ定まっていないFX初心者はもちろん、FX取引に関して、さまざまな手法を取り入れ過ぎてしまい、今ひとつ上手くいっていないと感じるトレーダーにおすすめの一冊。
■ FX初心者におすすめの本②
円安・円高でもFXで稼ぎ続けるうまい方法 毎年、数千万円を稼ぐトレードの秘密
著者 | TAKA |
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『円安・円高でもFXで稼ぎ続けるうまい方法 毎年、数千万円を稼ぐトレードの秘密』は、年間数千万を稼ぐFX専業トレーダーTAKAの著書。なお、著者のTAKAは、YouTubeチャンネル「【FX】 期待は裏切る 予想は超える TAKA」を運営している。
本書では相場環境を重視し、勝率より損益率にこだわったトレードスタイルを紹介。トレンドに乗るトレードを得意とし、FX初心者から上級者まで参考になる一冊となっている。
また、テクニカル分析の基礎である「ダウ理論」の解説から著者自身の相場分析の手段まで、初心者でも分かりやすいように解説。さらに、著者は損切りする人達を意識したトレードを心掛けており、「大衆心理の考え方」においても参考にしたい内容となっている。
本書は、トレンド相場で上手く乗れずに悩んでいる人や相場環境の把握を極めたい人はもちろん、王道トレンド手法に挑戦してみたいFX初心者や、マルチタイムフレーム分析の技術を身につけたいFX中級者におすすめの一冊といえるだろう。
なお、登録者数45,000人を超える著者のYouTubeチャンネルも勉強になるため、本書と合わせて、日々のインプットに上手く活用したい。