30代におすすめのがん保険をFPが厳選!保険選びのコツとは?
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はじめに
30代は様々なライフイベントが起こる時期であり、大病を患うと収入減少や経済的な負担が大きなリスクになります。特に気をつけなければいけないのが日本人の2人に1人がかかり、3人に1人がなくなる「がん」です。そこで本記事では、2級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士である筆者が、30代におすすめのがん保険を厳選して紹介。男性・女性それぞれのライフイベントを踏まえ、選び方のポイントも解説しています。
がん保険への加入を検討している方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
30代に本当にがん保険は必要?
「30代でもがん保険は必要なの?」と思う方も多いでしょう。特に体力があり病気知らずの方はなかなか実感が湧かないものです。
ではまず、国立がん研究センターの研究データをもとに、30代のがん保険の必要性を見ていきましょう。
がん罹患リスクと年代別推移
国立がん研究センターの2021年の調査によると、以下のように年齢が上昇すればするほど、がんの羅患者数が増加することがわかります。
| 25-29歳 | 2690人 |
|---|---|
| 30-34歳 | 5121人 |
| 35-39歳 | 9866人 |
| 40-44歳 | 18162人 |
| 45-49歳 | 33247人 |
30代の10年間の罹患率は低いものの40代で急上昇。一方でがん保険の保険料は30代から入っておいた方が、40代から入る場合と比べるとはるかにリーズナブルです。これらの点を総合すると、がん罹患リスクに備えて、30代のうちから保険加入を検討しておいた方が良いことがわかります。
具体的な数値をみると、がんに羅患することが決して他人ごとではなく、30代でもがん保険の加入を検討する必要性は明らかです。
高額療養費制度だけで足りない理由 その1:
「差額ベッド代」等は自己負担
次に、がん治療の面から保険の必要性を見ていきます。
高額療養費制度は、医療費の自己負担が一定の上限を超えた場合、その超過分を公的保険から支給する制度です。しかし、この制度にはいくつかの例外があります。その一つが「差額ベッド代」などの特別料金です。
差額ベッド代は、患者が個室や特別な部屋を希望した場合にかかる追加料金で、公的保険の対象にはなりません。つまり、患者は全額自己負担する必要があるのです。
高額療養費制度だけで足りない理由 その2:
収入減少と先進医療費が全額自己負担に
がんに罹患すると、治療や療養に専念する必要があり、フルタイムでの仕事を続けられないケースがあります。働く時間が短くなると、その分収入が減少するため、家計に大きな影響を及ぼします。
また先進医療を受ける場合、その費用は高額になるケースがほとんど。これらの費用は公的医療保険の対象外となり、全額自己負担です。たとえば、がんの治療において用いられるプロトンビーム療法や重粒子線療法などは、300万円を超える高額な費用がかかることが知られており、これらの治療を希望する際に経済的な問題が壁になる可能性があります。
FPが解説する30代ががん保険を選ぶポイント
がん保険選びは、30代以降の人生設計に影響を与える可能性がある重要な選択です。特に、家庭を持っている方やこれから持つ予定のある方は、経済的な安心を確保できるかどうかが重要なポイント。
例えば、診断時の一時金が重要なのか、長期入院時の費用が心配なのか、自身の価値基準によって選ぶべきプランが異なります。ライフスタイルに合うがん保険を選び、将来の不安に備えましょう。
1.どの時点の保障に重点を置くか?
がん保険と一言で言っても、各社特徴が大きく異なります。診断一時金が手厚いものもあれば、入院保障や通院保障に力を入れているものまで様々です。まずは「治療におけるどの時点の保障が手厚いと安心できる」を自分の中で考え、優先順位を決めておくと良いでしょう。
男性の場合、万が一収入が途絶えた際に備えることが重要です。具体的には、診断一時金が手厚いプランを選べば、治療に専念しつつ家計の不安を軽減することができるでしょう。
女性の場合は、特に女性特有のがんに対する保障が充実しているかどうかを確認することが大切です。女性特有のがんは早期発見と早期治療が鍵となるため、通院保障が充実しているプランを選ぶと良いでしょう。
2.がん治療の現状を理解する
医療技術は日々進歩しているため、入院を伴わないがん治療も増えています。すでに契約中のがん保険がある場合は、保障内容が現在の治療に即していない可能性も。最新の治療法やがん保険の補償のトレンドを把握し、自分のライフステージに合う補償を確保することが大切です。加入後も関心を持ち、過不足がないか定期的に確認しましょう。
3.料金と保障のバランスを見る
「預貯金は今どのくらいあるか」「公的制度でどれくらい治療費を賄えるか」なども重要なポイントです。がん保険が担うのは、公的制度で不足する部分の補完ということを忘れず、保険料と保障内容のバランスを見極めましょう。
また、30代という年齢は、ライフステージの変化が多い時期です。こうした変化に対して柔軟に対応できるよう、契約内容を見直せる保険を選ぶこともポイントです。
【男性向け】30代におすすめのがん保険3選
本チャプターでは、30代男性におすすめのがん保険を3つ厳選して紹介します。
おすすめ①:
オリックス生命「がん保険ビリーブ」
オリックス生命の「がん保険ビリーブ」は、がん初回診断一時金が入院の有無を問わず受け取れる点が最大の特徴。さらに、がんの治療を目的に入院を開始した場合には、がん治療給付金を受け取れるので、治療開始時の資金繰りをスムーズに。
再発・転移にも対応しており、2年に1回を限度に無制限で給付金を受け取れます。先進医療給付特約を付帯すると、通算2,000万円まで実費での補償が受けられる点も魅力の1つです。
おすすめ②:
アフラック「生きるためのがん保険Days1」
アフラックの「生きるためのがん保険Days1」は、入院日数に関わらず一律の入院給付金が支払われる点が最大の特徴。短期入院が主流となりつつある最新の治療事情を反映し、抗がん剤・ホルモン剤治療の特約を付けると、所定の投薬ごとに10万円を受け取れます。
本保険の注意点として、診断給付金の支払い間隔が5年に1回とやや長めな点。再発リスクが高い場合は手厚さに欠けるリスクがあります。先進医療特約は10年更新型なので、将来的に保険料が上がる可能性を想定しておきましょう。
おすすめ③:
東京海上日動あんしん生命「がん治療支援保険NEO」
東京海上日動あんしん生命の「がん治療支援保険NEO」は、がんと診断された翌月以降、最長5年間毎月10万円が受け取れる「診断後収入サポート特約」が最大の特徴。
働けない期間の生活費・住宅ローン返済をカバーし、家計へのダメージを最小限に抑えることができます。診断一時金と併用することで初期費用と継続治療費の両面を補完できる点もおすすめです。
【女性向け】30代におすすめのがん保険3選
本チャプターでは、30代女性におすすめのがん保険を3つ厳選して紹介します。女性向けのがん保険を選ぶ際は、女性特有のがんに対応した商品を選びましょう。
おすすめ①:
はなさく生命「はなさくがん保険」
はなさく生命の「はなさくがん保険」は、女性向けの付加特約が充実している点が最大の魅力。
初めて女性特有のがんと診断されたときに、一時給付金として50万円を受け取ることが可能です。また、女性がん検診支援給付金として2年に1度、乳がん検診または子宮頸がん検診を受診すると、1万円を受け取ることができます。
おすすめ②:
チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアムZ」
チューリッヒ生命の「終身ガン治療保険プレミアムZ」は、女性特有のがんリスクに対しても、手厚い保障を用意。乳がんや子宮がんなど、所定の抗がん剤治療を受けた月ごとに給付金が支給される点が最大の魅力です。健康保険が適用されない自由診療による抗がん剤治療もサポートされている点も評価できます。
おすすめ②:
ネオファースト生命「ネオdeがんちりょう」
ネオファースト生命の「ネオdeがんちりょう」は、がんとの向き合い方にあわせて治療に専念できる新しいタイプの保険です。
主契約は、治療を受けた月ごとの保障、もしくは、まとまったお金(一時金)の保障から選ぶことが可能。オプションとして、がん女性特定手術・乳房再建保障特約を付帯できます。
後悔しないがん保険の見直しタイミングと注意点
がん保険の見直しは、ライフステージの変化や医療技術の進歩に応じて行うことが重要です。特に30代は昇進や結婚、子育て、住宅購入などのライフイベントが多く、経済状況や保険の必要性が変化します。
例えば、結婚したり子供が生まれたりすると、家族の将来を考え保障内容を見直す必要が出てくるでしょう。このような大きなライフイベントのタイミングが、がん保険見直しの好機です。
また、医療技術の進歩により、がん治療の選択肢や費用も変化します。最新の治療法が保険でカバーされているかどうかを確認し、必要であれば保障内容をアップデートすると良いでしょう年齢が上がると保険料が高くなるので、先延ばしせず早めに見直すのもポイントの1つです。
実際に商品を見直す際は、複数の保険会社のプランを同条件で比較し、費用対効果も考慮しましょう。保険の見直しを複雑に感じる方は、FP等の専門家を活用することで、最適な選択がしやすくなります。定期的な見直しと適切な商品選びで将来の不安を軽減し、安心できる生活を手に入れましょう。
よくある質問
Q1.女性向けがん保険と一般的ながん保険の違いは?
女性向けがん保険は、診断給付金や治療費用の補償が手厚く設計されている点が特徴です。一般的ながんはもちろん、乳がんや子宮がんの早期発見や治療を重視。女性特有のリスクに対してより適切なサポートを受けることが可能です。
一方、一般的ながん保険は幅広いがんに対応しており、男女問わず利用できるのが特徴です。
Q2.掛け捨て型と貯蓄型、どっちがいい?
掛け捨て型保険は、保険料が比較的安く、万が一の時に備えるための保障を重視したい方に向いています。特に30代は、ライフイベントが多いため、他の出費に備えるためにコストを抑えながらも保障を確保したい方におすすめです。
一方、貯蓄型保険は、保障を受けながら将来的に貯蓄をしたい方に適しています。保険期間が終わった後に一定の返戻金を受け取れるため、長期的な資産形成を望む方にとって魅力的。その一方で、保険料が高めに設定されている点がデメリットです。
Q3.30代向けがん保険の保険料の相場は?
30代のがん保険料の相場は、選択する保険の種類や保障内容によって異なりますが、一般的には月額3,000円から5,000円程度が一つの目安です。また、保険料は性別によっても異なり、一般的に女性の方が若干高くなる傾向があります。理由は、女性特有のがんをカバーする特約が付帯することが多いためです。


